上眼瞼溝 Sulcus suprapalpebralis

上眼瞼溝は、眼窩上縁と上眼瞼の間に位置する解剖学的な溝構造です。この溝は眼瞼挙筋と前頭筋の作用により形成され、特に上眼瞼の皮膚と眼窩隔膜、眼輪筋の走行に沿って現れます。深さと明瞭さは年齢、人種、個人差により異なり、日本人を含む東アジア人では欧米人と比較して浅い傾向があります(Kakizaki et al., 2009)。

解剖学的構造

解剖学的には、上眼瞼溝の直下には上眼瞼挙筋腱膜の皮膚への付着部があり、この構造が溝の形態を決定しています(Gray, 2020)。また、脂肪組織の分布も溝の形成に寄与しており、眼窩脂肪体と前頭筋下の脂肪層の間に生じる境界として表れることもあります(Whitnall, 1932)。

臨床的意義

臨床的には、上眼瞼溝は美容外科や形成外科において重要な指標となります。二重まぶた形成術(眼瞼形成術)では、この溝の位置や形状を考慮して切開線を決定します(Chen et al., 2013)。また、加齢による変化、甲状腺眼症、眼瞼下垂などの疾患でも上眼瞼溝の形態が変化するため、診断的価値も持ちます(Nerad, 2015)。

参考文献

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J1013 (20歳女子の閉じた右眼:正面からの図)

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J1014 (20歳女子の右眼:正面からの図)

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J1017 (上眼瞼の断面図)