人体を左右に二つに分ける面が正中面である。この正中面から直角に遠ざかる方向を示す形容詞が外側であり、逆に正中面に近づく方向を示すのが内側である。例えば、「乳房は上肢よりも内側にある」という表現があり、「上肢は乳房の外側にある」という表現もある。また、鎖骨の内側端は正中面に近い端(胸骨端)であり、その外側端は正中より遠い端(肩峰端)になる。解剖学用語としての「内側」と「外側」は、一般社会で漠然と使用される表現よりもはるかに厳密な定義があるため、「ナイソク」「ガイソク」と読むべきである。また、「ウチガワ」「ソトガワ」などと表現してはならない。胸腔などの部屋の「中」と「外」の意味を表すためには、内と外という方向用語が別に用意されている。