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片山正輝

目次(V. 神経系)

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図528(皮膚の神経支配と脊髄節との関係:前面)、529(皮膚の神経支配と脊髄節との関係:背面)

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図531(項部の神経と血管(I))

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図532(項部の神経と血管(II))

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図533(全脊髄神経の後枝の分布)

脊髄神経の後枝は主に以下の部位に分布する:

1.背部の皮膚(Rückenhaut):頭頂部から尾骨の先端までの範囲。

背部の皮神経分布領域の外側境界は、左右とも次のような線で示される:頭頂部から分界項線の中央を通り、僧帽筋の外側縁に沿って肩峰まで下行。そこから内側に傾き、肩甲骨下角と交差し、背部中央から外側へ進み、腸骨稜中央を通って大転子を覆う皮膚に達する。この点から、緩やかな上向きの弧を描いて尾骨先端に至る。

2.狭義の背筋(Rückenmuskulatur)。

上記の境界線と固有背筋の外側境界を比較すると、背方の皮枝の分布領域肩峰部(Akromialgegend)と大転子部(Trochantergegend)の2箇所で、後根の支配する筋領域(dorsales Muskelfeld)をかなり顕著に超えて広がっている。

この左右対称的な長い領域内で、神経分布は必ずしもすべての箇所で脊椎の分節(Wirbelsegmente)に正確に一致しているわけではない。脊椎分節は、筋と神経を除く体分節の他の構成要素(例えば腸分節や皮膚分節)を正確に表現するものではない。しかし、神経分布を用いて境界を定められない場合、皮膚分節の広がりを特定することは困難である。実際には、第2頚神経後枝の皮枝が頭頂部まで達することのみが明確である。中部頚神経の後枝皮枝はやや上方に向かい、下部頚神経と胸神経のそれはわずかに下方に走る。腰部および上殿部に達する皮神経は急な傾斜で下行する。

後枝に支配される筋に関しては、その運動性神経は完全に分節的境界を保持している。

各後枝は内側枝(Ramus medialis)と外側枝(Ramus lateralis)に分かれる。この関係は胸神経の分布領域で最も顕著である。内側枝と外側枝はともに知覚性および運動性の線維を含みうる(図533(全脊髄神経の後枝の分布) 参照)。

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図533(全脊髄神経の後枝の分布)

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[図531] 項部の神経と血管(I)

左側は表層、右側は僧帽筋上部と項板状筋中央部を除去。

1. 頚神経8対の後枝 Die dorsalen Äste der acht Zervikalnerven

2. 胸神経12対の後枝 Die dorsalen Äste der zwölf Thorakalnerven

3. 腰神経5対の後枝 Die dorsalen Äste der fünf Lumbalnerven

4. 仙骨神経5対と尾骨神経1対との後枝 Die dorsalen Äste der fünf Sakralnerven und des einen Steißbeinnerven