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片山正輝

目次(V. 神経系)

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図559(右の下腿および足の外側面における皮神経)

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図560(右下腿伸側の深部神経)

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図563(右足背の神経)

これは急な傾斜をなして下前方に向かって長腓骨筋を貫き進み、この筋と短腓骨筋との間に達する。次いで長指伸筋の前外側面に接し、下腿の下部3分の1で下腿筋膜を貫いて皮神経として終わる。皮下に現れてから、あるいはなお筋膜の下を通るときに、この神経は2枝に分かれる。すなわち、太い方の内側足背皮神経N. cutaneus dorsi pedis tibialisと細い方の中足背皮神経N. cutaneus dorsi pedis mediusである。これらの枝に分かれる前に、浅腓骨神経から次の枝が出る。それは

長腓骨筋および短腓骨筋への筋枝Rami muscularesである。

a) 内側足背皮神経 N. cutaneus dorsi pedis tibialis

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図559(右の下腿および足の外側面における皮神経)

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図563(右足背の神経)

これは内側方に向かいながら下行して足背に達し、その途中で細い枝を近くの皮膚に与える。足背で各1本の内側と外側の枝に分かれ、これらの枝が母指の内側縁および第2指と第3指の互いに向き合った縁に分布する。

α) 内側の枝は足の内側縁に向かい、伏在神経からの細い枝と結合して、母指の内側面の背側の皮膚に分布し、その末節まで達する。さらに深腓骨神経へ1本の結合枝を送り、第1中足骨間隙を覆う皮膚にも分布する。

β) 外側の枝は第2中足骨間隙に達して、[足の]背側指神経Nn. digitales dorsales pedisと呼ばれる2本の枝に分かれ、これらの枝が第2指と第3指の互いに向き合った面に至る。この枝が次に述べる神経から出ていることもある。

b) 中足背皮神経 N. cutaneus dorsi pedis medius

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図559(右の下腿および足の外側面における皮神経)

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図563(右足背の神経)

これは足関節Fußgelenkを越えてまっすぐに前方に走り、その近くの皮膚に分布する。各1本の内側枝と外側枝に分かれ、これらの枝が第3指と第4指、ならびに第4指と第5指の互いに向き合った縁に分布する。

α) 内側枝は第3指と第4指の互いに向き合った側面への枝に分かれる。

β) 外側枝は腓側足背皮神経N. cutaneus dorsi pedis fibularisと結合して第4指と第5指の互いに向き合った側面に分布する。

中足背皮神経は第2指と第3指の互いに向き合った側面への神経も出していることがある。一方、この神経が時として既に足背の範囲で終わることがあり、その場合腓側足背皮神経N. cutaneus dorsi pedis fibularisがその代わりに通常より広い分布領域を示す。そのような例では腓側交通枝が太くなっている。

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[図557] 右大腿の屈側および臀部の深部神経(3/8縮尺)

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[図558] 右大腿および寛骨部後面の神経(3/8縮尺)

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[図559] 右の下腿および足の外側面における皮神経

下腿上部では下腿筋膜を除去し、長腓骨筋の上部を切除してある。(HirschfeldとLeveilléによる)

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[図560] 右下腿伸側の深部神経(5/12縮尺)