この関節は、5つの中足骨と足の指の基節骨によって形成される。
関節面は中足骨の小頭と基節骨の底部である。
小頭の関節面はほぼ球形だが、足底に面する部分では長軸方向の弯曲が弱くなる。基節骨の関節窩は卵円形で、小頭の関節面より小さく浅い。
関節包は非常に緩やかである。背側面と内外両側面では軟骨縁のすぐ際から、底側面では軟骨縁から5mm離れたところから起こっている。関節包の背側部は極めて繊細で、伸筋の腱と連結している。底側面には、相当する手の関節と同様に、底側線維軟骨板Lamina fibrocartilaginea plantarisが存在する。
特殊構造として、非常に強靱な側副靱帯Ligg. collateraliaが内側と外側に1つずつある。
これらは中足骨小頭の側面でやや背側に位置する深いくぼみと隆起から起始し、斜めに底側前方へ走行して、基節骨の関節窩の側方にある小結節に付着する。多くの場合、外側の側副靱帯の方が内側のものより強い。側副靱帯から底側へ放散する線維束は底側副靱帯Ligg. accessoria plantariaと呼ばれる。底側線維軟骨板は、その名が示す通り線維軟骨で構成され、基節骨の関節窩の底側縁から起こる。これは関節包の底側部を補強し、また関節唇として関節窩を拡大する役割を果たしている。その中には種子骨が存在する。この線維軟骨板は横中足骨小頭靱帯と連結し、屈筋の腱鞘の背側壁を形成している。
横中足骨小頭靱帯Ligg. capitulorum ossium metatarsi transversaはすべての中足骨の底側面の間に張られており、足の外側部より内側部で厚みがある。
この靱帯は中足指節関節の諸靱帯と連結している。
この靱帯の背側には骨間筋Mm. interosseiが、底側には虫様筋Mm. lumbricalesのほか、指の底側の血管や神経が存在する。
第1中足指節関節の関節包に接して、より具体的には既述の底側線維軟骨板の中に、常に2つの種子骨が存在する。1つは内側(脛側)、もう1つは外側(腓側)にあり、第1中足骨の深い溝の中を滑動する。
Pfitznerの研究によれば、第5指の関節包では6.2%の頻度で外側の種子骨が、5.5%で内側の種子骨が観察された。また、第2指の関節包では1.8%に内側の種子骨が認められた。