この動脈は通常、各側に4本ずつあり、大動脈の後壁から始まる。それぞれ第1から第4までの腰椎体の上を外側に走り、大腰筋の後方で深部に消失する。第1と第2の腰動脈は、さらに横隔膜の腰椎部の脚に覆われている。右側の腰動脈はすべて下大静脈の後方に位置し、大動脈が左に偏っているため、右側の腰動脈が左側よりやや長い。各腰動脈は肋骨突起間の隙間に1本の背枝 Ramus dorsalisを出す。この枝は顕著で、肋間動脈の相同枝と同様に背方へ進み、背筋群に至る。さらに1本の脊髄枝 Ramus spinalisを分岐する。
腰動脈の主幹は腰方形筋の後方を通過するが、最下位のものは時にこの筋の前方を通る。外側に進み、下腹壁動脈の枝に向かう。腰動脈は腹筋群の間に広がり、前方では下腹壁動脈と、上方では肋間動脈と、下方では腸腰動脈および腸骨回旋動脈と吻合する。また腰動脈同士も相互に連絡する。第1と第2の腰動脈からは、腎臓の脂肪嚢・横隔膜・肝臓に枝を送る。
**変異:**時に左右の腰動脈が共通の小幹から始まり、すぐに2本に分かれた後、通常の経路をたどる。同側の2つの腰動脈が1本の共通幹から出ることもしばしばある。