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硝子体の基本構造
水晶体小帯の構造と機能
硝子体支質の特徴
発生学的特徴
硝子体(Glaskörper)は水晶体と毛様体の後方で、網膜に囲まれた眼球内の空所—硝子体腔(Glaskörperraum)を満たしている。そのため、前後から少し圧平された球形をしている(図606(右眼の水平断面と眼軸) )。
硝子体の前面は凹んで硝子体窩(Fossa hyaloidea)を形成しており、水晶体がここに収まっている。硝子体は視神経乳頭から鋸状縁まで、すなわち後方の全領域を硝子体膜(Membrana hyaloidea)という膜で包まれている。この膜は鋸状縁より前方では毛様体と虹彩の極めて薄い内側壁層として続いている。また、硝子体膜に包まれる透明な内容物は、水分に富む硝子体支質(Glaskörpergallerte)である。(日本解剖学会制定の用語ではStroma corporis vitreiは「硝子体支質」であるが、本書で説明するものは「支質」という語には全く当てはまらないので、仮に「硝子体支質」とする。(小川鼎三))
硝子体膜はガラスのように透明で、薄いながらも丈夫な構造の膜である。その外面は網膜の内境界膜に密接し、内面は硝子体支質(Stroma corporis vitrei)に密に続いている。内面には紡錘形や円みを帯びた突起をもつ細胞が散在しており、これらは結合組織の細胞である。