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目次(I.骨格系)

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それぞれの指にいくつかの指節Phalangen, Gliederがある。すなわち母指には2つ、その他の指にはそれぞれ3つの節がある。

基節骨Phalanx proximalis, Grundgliedは中手骨と同様に軽く湾曲している。そのCorpus phalangisの背側面は滑らかで、両縁が低く中高になっている。掌側面は平らで、その両縁は粗面をなしており、ここに指の屈筋の線維性の鞘が付着する。

近位端はBasis phalangisと呼ばれ、太くなっている。関節面Facies articularisという横長の卵円形の関節窩があり、対応する中手骨の小頭を受ける。遠位端は滑車Trochlea phalangisで、底ほど太くはないが、1つの溝で分けられた2つの円い隆起を持つ。その側面には、中手骨と同様に側副靱帯が付着する小さな領域がある。

中節骨Phalanx media, Mittelgliedは基節骨より小さいが、形は似ている。違いは底の関節面のくぼみに、隆起した導線Führungsleistenがあり、これに基節骨の滑車の溝がはまる点である。

末節骨Phalanx distalis, End- od. Nagelgliedの底は中節骨と同様だが、底の近くの掌側に深指屈筋の腱が付着する粗面がある。体は細く、その先端は幅広いシャベル形の板で終わる。この部分は爪粗面Tuberositas unguicularisと呼ばれ、掌側が粗面となっており、外側には錨のような逆鈎がついている。

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[図293]右手の骨(尺骨および橈骨の下端を含む)。手背面。(2/3) H. Virchow原作の凍結骨格処理法による標本。指節は修復されているが、前腕骨・手根骨・中手骨の間隔は信頼できる。種子骨は図示していない。

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[図294]右手の骨(尺骨および橈骨の下端を含む):手背面(2/3)。H. Virchow原作の凍結骨格処理法による標本。指節は修復されているが、前腕骨・手根骨・中手骨の間隔と向きは信頼できる。種子骨は図示していない。

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[図295]手の骨格:成人の生体X線像、背掌方向から撮影(2/3スケール)

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[図296]**手の骨格:**13歳の生体X線像、背掌方向から撮影(4/9スケール)

[図297]3節の母指をもつMartina(19歳)の右手(H. Rieder、1900年)