https://funatoya.com/funatoka/Rauber-Kopsch.html
後耳介動脈は小さな動脈で、外頚動脈から後頭動脈のやや上方で分岐する。耳下腺に覆われ、茎状突起の上に沿って上行し、乳様突起の前で耳介の後方を通り頭頂へ向かう。乳様突起のやや上方で前後の終枝に分かれる。主な分枝には、顎二腹筋後腹、茎突舌骨筋、茎突舌筋、胸鎖乳突筋、咬筋、内側翼突筋への多数の筋枝、および耳下腺枝がある。その他の重要な枝は以下の通り:
a) 茎乳突孔動脈(A. stylomastoidea):この細い動脈は茎乳突孔を通り顔面神経管に入る。神経管内を走行し、アブミ骨筋枝(R. stapedius)をアブミ骨筋に与えた後、顔面神経管裂孔で硬膜に達する。側枝の後鼓室枝(R. tympanicus posterior)は鼓索神経と共に鼓索神経小管を通って鼓室に入り、鼓室に分布する。また乳突枝(Rami mastoidei)を乳突蜂巣に与える。ここで、顎動脈からの枝で錐体鼓室裂を通る前鼓室動脈と吻合する。
b) 耳介枝(R. auricularis):耳介の後面と縁に枝を送り、穿通枝を耳介前面に出す。小枝が外耳の小筋群に分布する。
c) 後頭枝(R. occipitalis):側頭骨の乳突部を越えて後方に進み、後頭動脈の枝と吻合する。
**変異:**この動脈の発達が弱いことがしばしばあり、茎乳突孔動脈で終わることも少なくない。時に後頭動脈に置き換わることがある。後頭動脈が後耳介動脈の少数の枝を出すことも多い。後頭動脈と後耳介動脈が短い共通幹から出ることもある。