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豆状骨は痕跡的な手根骨で、尺側手根屈筋の腱の付着部をなしている。同様の痕跡が手根の橈側や中手骨にも独立した骨として認められることがある。足の骨格にも同様のものが現れる。動物におけるこれらの相同骨の状態を知ることは重要である。AlbrechtとBardelobenは、これらの骨が前母指Praepollex(足ではPraehallux)と呼ばれる特別な橈側指放線の痕跡であるとの説を唱えている。
W. Pfitznerの研究により、手根骨と足根骨における過剰骨の出現頻度が従来の想定よりはるかに高いことが明らかになった。
Pfitznerは1450の手のうち7例(0.48%)で中心骨Centraleを発見した。しかし、中心骨以外にも多数の特異な骨が手根とその周辺に存在する。RK298(**過剰手根骨の模型図:**背側面)、299(**過剰手根骨の模型図:**掌側面) はその概観を示している。
手と足の骨格における過剰骨の意義はX線研究によって解明された。これらの骨は外方へ突出した骨格部において骨化中心として出現する。阻害因子の影響を受け、主要な「規則的」骨格要素("kanonische" Skeletelement)と融合せずに独立骨として存続する。手の中心骨や足の外脛骨(Tibiale externum)、三角骨(Os trigonum)の形態学的意義はほぼ確立しているが、他の過剰骨の意義は未だ確定していない。
種子骨Sesambeineは胎児で成人よりも多く見られる。総数の平均比較だけでなく、胎児には成人で観察されたことのない種子骨も出現する。中手骨と指節骨の間の横線に沿って現れる退化的構造としての種子骨がある。人の胎児では、中手骨と指節骨の境界の掌側に各指2個ずつ、最大10個の種子骨が見られる。この数は下等な猿を含む、完全に発達した5本の指放線を持つ全ての哺乳類で観察される数と一致する。Pfitznerによれば、種子骨は人では完全に発達した指放線で、哺乳類では退化した指放線で退化している。
手背側の種子骨は、人では第1背側種子骨(Sesamum dorsale I)のみが観察されている。
母指の屈側、基節骨と末節骨の間の関節に、人ではしばしば1つの種子骨が認められ、多くの哺乳類ではこれが常在する。しかし、母指の末節骨が2つの指節骨に相当するため、これは近位第1種子骨(Sesamoides I. proximale)と呼ぶべきである。人では通常、遠位指節間種子骨(Sesama interphalangica distalia)は結合組織性のものしか存在しない。Pfitznerはわずか3例の手で、軟骨性関節面を持つ骨性の種子骨を示指に観察したにすぎない。
人の足の小指では、中節骨と末節骨の融合により単一の末節骨が生じ、その中で中節骨に相当する部分が形態というより塊状の状態で存在している。母指も同様で、その末節骨は中節骨と末節骨の両要素を含んでいる(Pfitzner)。
[図298、299]過剰手根骨の模型図 図298は背側面、299は掌側面を示す。手根の円蓋を一平面上に展開して描いたもの。左手(W. Pfitzner、1901年)