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坐骨神経は仙骨神経叢のすべての根から生じ、この神経叢の主要な続きをなす。坐骨神経は梨状筋の下縁で骨盤腔を出て、最初は大殿筋に覆われ、坐骨結節と大転子の間で小さい回旋筋群(両双子筋、大腿方形筋など)の後ろを下行する。さらに下方では大内転筋の後面に接し、ここでは坐骨結節から起こる諸屈筋に覆われて膝窩に達する。膝窩では坐骨神経はその中央付近に位置し、膝窩動静脈のやや外側かつ後方にあり、丈夫な大腿筋膜に覆われている。多くの場合、膝窩の上角Proximaler Winkelで幹の続きをなす太い脛骨神経N. tibialisと、膝窩の外側角fibularer Winkelに達する細い総腓骨神経N. fibularis communis(図557(右大腿の屈側および臀部の深部神経)、図562(右下腿後面の皮神経))とに分かれる。この両神経がすでに大腿の中央で分かれていることがしばしばあり、それよりもかなり上方でこの神経叢から出る部位ですでに分かれていることもある。人為的にこの両神経幹を分けてみると、常に大坐骨孔の辺りまで分離できる。
坐骨神経は運動性の枝を次の諸筋に与える:
股関節の筋Hüftmuskelnについては、内閉鎖筋・2つの双子筋・大腿方形筋、さらに大腿の屈筋全部および下腿と足の筋全部である。また知覚性の枝を下腿と足の皮膚に与えるが、それは伏在神経が分布する範囲を除く。その脛骨神経に属する部分tibialer Teilからは次の諸枝が出る:
a) 内閉鎖筋への神経:これは坐骨神経の幹が大坐骨孔を出るときに分かれ、直ちに小坐骨孔を通って内閉鎖筋の内側面に向かい、この筋の中に入る。小坐骨孔ではその上方の角に位置し、陰部神経はこれとは対照的に同じ孔の下方の角にある。陰部動静脈はこれら両神経の間を走る。
b) 両双子筋と大腿方形筋への神経:これもまた坐骨神経が大坐骨孔から出るときにこれから分かれる。
c) 股関節の関節包への1本の関節枝Ramus articularis。
d) 筋枝Rami muscularesは半腱様筋・半膜様筋・大腿二頭筋の長頭・大内転筋に行く。