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RK523(**右上腕および右肩甲骨の筋:**側面図)

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RK524(右上腕および右肩甲骨の筋:後面)

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RK529(上腕および肩甲骨の筋:尺側面図)

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RK530(上腕および肩甲骨の筋:尺側面図)

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RK534(上腕および肩甲骨の筋(背側面))

この筋は横断面では円形だが、全体としては細長い四角形をしている。肩甲骨の下角の背側面にある小区域から起始し、上腕三頭筋の長頭の前方を外側に進む。その後、強靭な板状の終腱に移行し、広背筋の終腱の後方で上腕骨の小結節稜に停止する。大円筋の終腱の縁は広背筋の終腱と融合する。

この腱と上腕骨との間には大円筋嚢 Bursa m. teretis majorisという粘液嚢がある。また、大円筋の腱と広背筋の腱との間には広背筋の腱下包 Bursa m. latissimi dorsi (RK531(肩部の粘液嚢) ) という別の粘液嚢がある。つまり、大円筋の腱は両面にそれぞれ1つずつ粘液嚢を持つことになる。(日本人では大円筋停止腱と広背筋停止腱との間に96%の確率で粘液嚢が存在する[古泉光一:日本医科大学雑誌,5巻,1063~1083, 1934]。)

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RK531(肩部の粘液嚢)

**神経支配:**肩甲下神経II

**脊髄節との関係:**C. (V), VI, (VII)

**作用:**上腕を背方および内側に引き、同時に内旋させる。

**変異:**この筋が完全に欠如することがある。広背筋や菱形筋との結合が報告されている。非常にまれだが、この筋が上腕三頭筋の長頭または上腕筋膜に筋束を送ることがある。