ヒラメ筋より遠位で、脛骨後面および後脛骨筋に沿って下行する腱弓から起始する。その腱は脛骨踝のすぐ近位で後脛骨筋腱の外側(皮膚側)を交差し(RK580(膝窩筋、後脛骨筋、短腓骨筋(右下腿)) )、破裂靱帯(Lig. laciniatum)に被われ、長指屈筋腱鞘(Vagina tendinis m. flexoris digitorum longi)に包まれて載距突起の遊離縁および足底に達する。ここで長指屈筋腱はその背側にある長母指屈筋腱の下を通って交差し、両腱間に結合がみられる。
この腱は第2〜第5指に向かう4本に分かれ、その分岐より遠位では足底方形筋(M. quadratus plantae)を筋頭として受け入れる。長指屈筋の腱は最終的に末節骨底に付着する(RK587(足底における筋群(III)) )。
**神経支配:**脛骨神経
**脊髄節との関係:**L5, S1, S2
**作用:**指の末節骨を屈曲させ、足の底屈を補助する。また、足を固定した状態では下腿を後方に引き、間接的に踵を挙上する。
**変異:**時に脛骨から副起始頭が生じ、これは長指屈筋の腱または足底方形筋と連続する。
[図580]膝窩筋、後脛骨筋、短腓骨筋(右下腿)
[図581]右足背における筋と腱