(RK668(**女性の骨盤動脈(左側)**右側から見た図))
これは男性の精管動脈に相当するが、それよりも常に太く、多くの場合、内腸骨動脈の前方の主枝から独立して出る。
子宮動脈は腹膜の下を通り、子宮広間膜の下部を子宮頸に向かって進み、強くうねった多数の枝となって子宮内で広がる。これらの枝は子宮の側縁を上行する幹からほぼ直角に発し、子宮の前後両面で対側の枝とつながる。終枝は3本あり、そのうち1本は内側に向かって子宮底に至る。2本の外側枝のうち1本は卵管枝R. tubalisと呼ばれ、卵管と平行して卵管間膜内を通り、卵巣動脈の枝とつながる。もう1本の外側枝は卵巣枝R. ovaricusといい、卵巣間膜内を進み、同じく卵巣動脈の枝と結合して卵巣の動脈弓Eierstockarkadeを形成する。この動脈弓から出る小枝が子宮円索とともに走り、腹壁内で下腹壁動脈の枝とつながる。また他の枝は卵巣に至る。
比較的小さな枝が子宮動脈から出て膀胱・尿管・腟に分布する。腟に向かう枝は時に合流して腟動脈A. vaginalisという目立った小幹を形成し下方に進み、腟の他の動脈とつながる。また腟と直腸の間で対側の同名枝と弓状に結合する。