https://funatoya.com/funatoka/Rauber-Kopsch.html
内顆粒層の基本構造
主要な細胞構成
特徴的な構造要素
図633(網膜の内面における視神経線維の放散)、634(ある哺乳動物の網膜の横断面)
双極性の神経細胞を主体とする多層構造である。最深層はSpongioblastenschicht(海綿芽細胞層)で、この層の細胞は特によく色素を取り込み、突起は1本のみ出す。これらはアマクリン細胞amakrine Zellenとも呼ばれる(μακρός「長いもの」を欠く細胞の意。日本解剖学会制定用語の無軸索突起は適訳とは言えない(小川鼎三))。その突起は内網状層に入り、原線維の房状の群を形成する。
その他の細胞は双極性細胞Bipolarzellen で、相対する両極からそれぞれ1本の突起が出ている。外方の突起は隣接する外網状層で原線維の房となって終わる。内方の突起は内網状層に入り、注目すべき現象を示す。すなわち、その終末小枝が内網状層内の様々な階層で発達し、神経細胞層の細胞体や樹状突起と接触する。これらの双極性神経細胞は細胞体の発達が乏しいため、核のある部分が強く膨らんでいる。さらに内顆粒層には、中心性の遠隔細胞zentrale Fernzellenからの軸索が貫通し、その終末小枝も見られる。また、ミュラー支持線維の核を持つ部分もこの層に存在する。