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目次(IV. 内臓学)

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図266(男性骨盤の正中断面)

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図267(男性の膀胱の内面(強度収縮時)と尿道)

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図326(尿道の前立腺部上部を通る断面)、327(精丘を通る断面)、328(尿道の前立腺部下部を通る断面)、329(尿道膨大部を通る断面)、330(尿道の海綿体部中間部を通る断面)、331(尿道舟状窩を通る断面)

男性尿道は膀胱底から陰茎の先端まで伸び、4つの部分で構成されている。第1部は膀胱壁内、第2部は前立腺、第3部は尿生殖隔膜、第4部は陰茎にそれぞれ含まれる。これらの各部は壁内部、前立腺部、隔膜部、海綿体部として既に説明したので、詳細は理解されたと考える。尿道の長さは20~25cmだが、陰茎の長さと状態によって大きく変化する。直径も各部分で異なる。

陰茎が弛緩時、尿道は膀胱から外尿道口までの間で数回弓状に湾曲し、全体として横置きのS字形を呈する(図266(男性骨盤の正中断面))。陰茎を腹壁に折り返すと、S字形の湾曲は恥骨結合に向けた1カ所の湾曲となる。

形態学的な特徴:形態学的に特に興味深いのは前立腺小室と射精管の開口部である。泌尿器系生殖器系が精丘で合流し、それより先は同一の管を共通の通路として利用している。形態学的には、この通路は純粋な尿道ではなく、尿生殖洞(Sinus urogenitalis)であり、その縁が癒合して管状になったものである。これは女性の尿生殖洞に相当する。

時として、男性胎児で尿生殖洞が完全に閉鎖せず、様々な程度で開いたままになることがある。

この状態を尿道下裂(Hypospadia)と呼び、そのような人を尿道下裂者(Hypospadiaei)という。

尿道の神経支配については、交感神経性の枝に加えて、陰茎背神経と会陰神経の枝が分布している。上皮内には自由神経終末が観察される。

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[図333]男の会陰,骨盤出口の筋II(9/10)

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[図334] 陰茎海綿体の櫛状中隔:左側からの視点。