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手根骨の近位列は近位手根骨Ossa carpi proximalia と呼ばれ、舟状骨Naviculare, Kahnbein、月状骨Lunatum, Mondbein、三角骨Triquetrum、豆状骨Pisiforme, Erbsenbein がある。
遠位列は遠位手根骨Ossa carpi distalia と呼ばれ、大多角骨Multangulum majus、小多角骨Multangulum minus、有頭骨Capitatum(有頭骨頭 Caput ossis capitati と呼ばれる頭部を持つ)、有鈎骨Hamatum がある。
これら8つの骨をサイコロに見立て、それぞれに6つの方向、すなわち6面を区別するのが全体的な理解に最も有用である。6面とは近位面・遠位面・背側面・掌側面・橈側面・尺側面である。
手根骨の配列には明瞭な円蓋構造が見られ、その凸面は手背側を向き、凹面は手根溝 Sulcus carpi を形成して手掌側に向いている。
この円蓋状の形態は、各列の両端の骨から手掌側へ突起が伸びているため、より顕著になっている。
すなわち、尺側にある突起は有鈎骨鈎Hamulus ossis hamatiで、豆状骨とともに尺側手根隆起Eminentia carpi ulnarisを形成している。一方、橈側手根隆起Eminentia carpi radialisは舟状骨結節Tuberculum ossis navicularisと大多角骨結節Tuberculum ossis multanguli majorisによって構成されている。
手根の顕著な変異はまれである。Soemmeringは1人の黒人の両手に月状骨と三角骨の融合を観察した。骨数の増加、特に小多角骨および有頭骨の分裂によるものは、より頻繁に観察されている。Gruber(1870)は1例で11個の手根骨を確認している。舟状骨、小多角骨、有頭骨の間の結合部に稀に1つの痕跡的な骨が認められることがあり、これは多くの動物の手根の中心骨Centraleと相同のものである。
W. Gruber(1869, 1883)、Rosenberg、続いてHenkeおよびReyher(1874)は、人においても中心骨と呼べるものの軟骨性原基が常に出現するという説を提唱している。これは通常、骨化の際に舟状骨と融合する。Leboucqはこの説を支持したが、Rosenbergはこの軟骨性原基が消失すると考えた。一方、Pfitznerは次の見解を示している。すなわち、中心骨は常に体積を減じ、まず手掌から、次いで手背から退き、最終的に手根の内部で溶解あるいは融合によって消失するというものである。この骨の融合は様々な退化段階で起こり得る。Hochstetter(Sitzber. Akad. Wiss. Wien, 161. Bd., 1952)によれば、中心骨が短い痕跡としてしか残っていない、あるいはそのような状態さえも残っていないことは、そもそも稀であるという。H. Virchow(Morph. Jhrb., 63. Bd., 1929)は次のように述べている。中心骨の退化状態のあらゆる場合を「論理的系統的に分類しようとするならば、次の2つの極端型が見られる。1つは中心骨が舟状骨と融合していて、全く小さくなっていない場合、もう1つは中心骨が舟状骨と融合することなく、萎縮して完全に消滅している場合である。」