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各ニューロンは1つまたは複数の場所から、1つまたは複数の別の場所へ興奮を伝達する。**インパルス(刺激)**Impulsは、直接的に(神経原線維が1つのニューロンから他のニューロンへ中断なく移行するという仮説に基づいて)、あるいは間接的に(興奮が単に接触しているニューロン間で伝わるという仮説に基づいて)第2のニューロンへ伝達される。同様に、第2のニューロンからインパルスが第3、第4のニューロンへと順次伝達される。これらのニューロンは、一次ニューロン、二次ニューロン、三次ニューロンなどと呼ばれる(図360(ニューロン間の興奮伝達:樹状突起と軸索を介した例)、図361(刺激の一次Neuronから二次Neuronへの伝達を示す模式図:一次Neuronの終末分枝が二次Neuronの樹状突起の枝へ)、362-363(刺激の一次Neuronから二次Neuronへの伝達を示す模式図:一次Neuronの側枝の終末分枝が二次Neuronの細胞体へ) )。
ここで特筆すべきは、1個の低次ニューロンからの興奮が多数のより高次のニューロンへ伝わる一方で、多数の異なる場所からの興奮が単一のニューロンへ収束することである。さらに、同一の興奮が中枢器官の様々な場所に到達した後、これらの場所から再び1個の神経細胞へ集約されることもある。
Elze(Z. Anat. Entw., 94. Bd., 1931)は伝導弓Leitungsbögenと統合場所Integrationsorteを区別している。伝導路Leitungswegeはすべて末梢に始まり、中枢神経系を経由して再び末梢へ戻る。伝導弓の頂点は中枢神経系内にあり、その求心性脚と遠心性脚の一部のみが中枢神経系に属する。これは、大部分が末梢神経系に属しているためである。直接反射弓direkter Reflexbogenに見られる最も単純な伝導弓は、求心性ニューロンと遠心性ニューロンの2つの脚のみで構成される。第3のニューロン(脊髄の索細胞Strangzellen、脳の網様核Nucleus reticularis)を介して、興奮は同側および対側の多数のニューロンへ伝達される。これらの2節および3節からなる伝導弓の総体が、脊髄および脳幹の固有装置Eigenapparatを形成している。
このような伝達弓は脳全体に存在する。脳内の特定の領域(小脳皮質、中脳の視蓋、大脳皮質)は、以下の特徴を持つ。これらの領域には末梢全体から求心性の経路が集中するが、そこから末梢へ戻る遠心性の伝導路は、求心性のものと比べてはるかに少数である。このような伝導路の集中が起こる場所をElzeは「綜合場所」(Integrationsorte)と名付けた。これら3つの綜合場所にまたがる伝達弓の全体が「綜合装置」(Integrationsapparat)を構成している。
[図360]ニューロン間の興奮伝達:樹状突起と軸索を介した例(Cajalによる哺乳類網膜のクローム銀染色法)。矢印は神経伝導の方向を示す。
[図361~363]刺激の一次ニューロンから二次ニューロンへの伝達を示す模式図
矢印は興奮の伝達経路を示し、神経突起は赤色で表示。
図361:一次ニューロンの終末分枝が二次ニューロンの樹状突起の枝への刺激伝達を仲介。