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片山正輝
目次(V. 神経系)


図541(右腋窩の神経)

図542(右上腕の神経(内側面からの図))

図542(右上腕の神経(内側面からの図))
これは腕神経叢の下方尺側神経索から発し、腋窩静脈、上腕静脈、および正中神経に沿って走行する。上腕の中央で上腕筋膜の尺側皮静脈裂孔(Hiatus basilicus)に達し、この孔を通って皮膚に到達する。ここで、あるいはやや上方で、2つの終枝に分かれる。1本は掌側枝(Ramus volaris)で前腕の掌側面を、もう1本は尺側枝(Ramus ulnaris)で前腕の内側面を走り、手関節付近まで達する。
- この神経は近位部で1本以上の上腕皮枝(Rami cutanei brachii)を上腕二頭筋を覆う上腕の皮膚に送る。
- 終枝の1つである掌側枝(Ramus volaris)は、初め尺側皮静脈の外側面にあり、その後多くの場合この静脈に覆われて尺側正中皮静脈または肘正中皮静脈と交差し、前腕の掌側面を手関節まで広がる。その枝の1本が時に尺骨神経の手掌枝の出す穿通枝と結合する。
- もう1つは尺側枝(Ramus ulnaris)で、前者より細く、尺側皮静脈の内側面に沿って遠位方向に進み、その終枝は前腕の内側縁を回って前腕の背側面内側部に至る。その枝のうち最初に出るものは尺側上顆の上方ですでに分かれており、しばしば尺側上腕皮神経の終枝の1つと結合する。1本の小枝が尺骨神経の背側枝と結合し、他の1本が尺側前腕皮神経自身の掌側枝と結合することもまれではない。