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RK485(長い背筋群深部の項筋群)

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RK486(頭蓋底の外面における筋の起始および停止)

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RK487(長い背筋群の深層、短い背筋群および深項筋群)

日本人では、大後頭直筋と小後頭直筋の間にM. rectus capitis posterior intermedius(進藤筋)が出現することがある(進藤篤一:医学研究、12巻、2223〜2234、1938)。森は男性遺体112例を用いて、大後頭直筋を3型に、小後頭直筋を4型に分類した(森 優:解剖学雑誌、6巻、17〜18、1933)。

a) 大後頭直筋 M. rectus capitis dorsalis major:軸椎の棘突起から起始し、外側上方に走行して、項平面線の中1/3に幅広く付着する。

**神経支配:**後頭下神経の後枝

**脊髄節との関係:**C1(II)

b) 小後頭直筋 M. rectus capitis dorsalis minor:環椎後結節から起始し、大後頭直筋の内側で上方に走行する。反対側の同名筋のすぐ近くで、項平面線の内側1/3の下方に幅広く付着する。この筋の外側部は大後頭直筋に覆われる。

**神経支配:**後頭下神経の後枝 **脊髄節との関係:**C1

c) 頭斜筋 M. obliquus capitis:環椎の肋横突起から起始し、大後頭直筋よりも頭頂側に付着する。

**神経支配:**後頭下神経の後枝 **脊髄節との関係:**C1

d) 環椎斜筋 M. obliquus atlantis この筋は軸椎の棘突起から起こり、環椎の肋横突起の後弓(Spange)に付着する。

**神経支配:**後頭下神経の後枝および大後頭神経の1枝。**脊髄節との関係:**C. I (II)。Bolkによれば C. II が正常な関係であるという。

e) 外側頭直筋 M. rectus capitis lateralis この筋は環椎の肋横突起前弓より起こり、後頭骨の後頭顆の外側(乳様傍突起 Processus paramastoideus)に付着する。

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[図486頭蓋底の外面における筋の起始および停止

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[図487] 長い背筋群の深層、短い背筋群および深項筋群

**神経支配:**後頭下神経の前枝。**脊髄節との関係:**C. I.

**深項筋の作用:**大・小後頭直筋は頭斜筋および環椎斜筋と共同して頭を後方に引く。一側の大・小後頭直筋は環椎斜筋と共同して顔面をその側に向けるように頭を回す。外側頭直筋は頭を前方に屈する。

一側の頭斜筋は顔面を反対側に向けるように頭を回す。環椎斜筋は環椎と頭を回し、それによって顔面をその側に向ける。