この筋は三角形で、平たく短い。大腿骨の腓側顆および膝関節の関節包から起始し、その腱は関節包と癒合しており、脛骨の膝窩面に付着する。
起始腱の下方には膝窩筋嚢(Bursa m. poplitei)という滑液包がみられ、これは常に膝関節腔と、まれに脛腓関節とも連絡している。この連絡部が膝窩筋腱鞘(Vagina tendinis m. poplitei)である。
**神経支配:**脛骨神経
**脊髄節との関係:**L4, L5, S1
**作用:**膝を屈曲し、下腿を内旋する。
**変異:**この筋の欠如は2例で報告されている。また、その腱内に1度種子骨が見出されている。非常にまれではあるが、副筋頭が足底筋と共に大腿骨の腓側顆あるいは腓腹筋腓側頭内の種子骨から起始することがある。
M. peronaeotibialis(腓脛筋)は腓骨小頭から起始し、脛骨の膝窩筋線に停止する過剰筋である。――Fürst C. M., Der Musculus popliteus und seine Sehne. Lund, 1903.