この筋は第1~第4頚椎の肋横突起の後結節から4本の筋束をもって起始し、強く傾斜して下方に走り、肩甲骨の上角に達して付着する。また、短い腱束をもって棘上窩で肩甲骨の椎骨縁にも付着する。環椎から起始する筋束が最も強大で、他の筋束は幅の狭い起始腱をもって始まる。
**神経支配:**III~V頚神経の枝が上下に並んでこの筋に達する。
**脊髄節との関係:**C. III, IV, V
**作用:**この筋は肩甲骨を前上方に引く。
変異:個々の筋束がしばしば分離している。下部の起始頭の欠如による起始の減少はその増加よりも頻繁に見られる。起始の数が通常より増加しているときは、この筋は第7頚椎にまで達することがある。上部の起始頭の1つが乳様突起から起こることもある。副停止(accessorische Ansätze)、例えば肩甲棘に付着するものが見られ、また隣接する筋膜および筋との結合も観察される。
(注:肩甲挙筋の変異として、停止の2裂、迷走筋束が28体のうち15体(53.6%)、24側で認められた。進藤篤一:医学研究、12巻、2223~2233、1938)