(RK646(肩の後面における動脈)RK648(鎖骨下動脈と腋窩動脈)RK649(腋窩動脈)RK650(上腕の動脈、掌側)RK651(肩および上腕(右)の動脈、背側) )

肩甲下筋のみに至る2〜3本の小さい肩甲下動脈があり、さらに1本の太い肩甲下動脈が存在する。後者は肩甲下筋の外側縁で始まり、この縁に沿って下後方に進み肩甲骨の下角に至る。複数の小枝を肩甲下筋と腋窩リンパ節に送り、胸部と肩甲骨に分布する。特に大きな枝が2本あり、それらは以下の通りである。

a) 胸背動脈 A. thoracodorsalis:これは肩甲下動脈の下方の終枝であり、肩甲下筋・外側鋸筋・大円筋・広背筋の間を最下部の肋骨まで走行し、上記の諸筋に分布して広背筋で終わる(RK648(鎖骨下動脈と腋窩動脈)RK649(腋窩動脈))。

b) 肩甲回旋動脈 A. circumflexa scapulae:肩甲下動脈の横走する終枝であり、後方に向かって内側筋間隙に至る(RK646(肩の後面における動脈)RK648(鎖骨下動脈と腋窩動脈)RK651(肩および上腕(右)の動脈、背側) )。肩甲骨の外側縁にすぐ接して回り、棘下窩内を小円筋の下で骨面に沿って上方に進む。この動脈はそこで肩甲上動脈の枝および頚横動脈の枝と連絡する。その走行中に肩甲下筋、大円筋、小円筋、広背筋、棘下筋に枝を与える。