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図270(男性の膀胱、尿管、精嚢、前立腺、尿道:後方からの図)
陰茎は男性の交接器であり、同時に膀胱からの長い導出管でもある。円柱形をしており、外陰部の陰嚢上端で体表から突出している。移動性に富む皮膚に覆われており、内部は主に海綿組織で構成されている。この海綿組織は2つの長い円柱状の部分に分けられる:1. 尿道の終末部分である尿道海綿体部Pars cavernosa urethraeとその周囲の海綿体、すなわち尿道海綿体Corpus cavernosum urethrae、2. 陰茎海綿体Corpus cavernosum penis。後者はその下面の溝に尿道海綿体を収めている。
陰茎の後部は陰茎根Radix penisと呼ばれ、恥骨前面に固着している。自由端は陰茎亀頭Glans penis, Eichelと呼ばれる。根と亀頭の間の部分が陰茎体Corpus penis, Körper(od. Schaft)der Ruteで、背方の平坦面、尿道面、および円い輪郭の両側縁を持つ。背面は陰茎背Dorsum penisと呼ばれる。尿道面Facies urethralisでは尿道海綿体部を視認、触知できる。
陰茎亀頭は背面と尿道面からやや扁平な形状をしており、その先端に垂直方向の裂隙がある。これが尿道の出口、すなわち外尿道口Orificium urethrae externumである。亀頭の底部は陰茎体より広く、陰茎海綿体の先細りした前端を受け入れるくぼみを持つ(図267(男性の膀胱の内面(強度収縮時)と尿道)、図325(陰茎の海綿体))。くびれた部分を亀頭頚Collum glandisといい、その上に突出した亀頭の縁は亀頭冠Corona glandisと呼ばれる。
この縁は両側とも陰茎の尿道面に向かって斜めに進み、正中面上にある包皮小帯Frenulum praeputiiという皮膚のひだで終わる(図324(陰茎の海綿体とその筋:皮膚を除去した状態)、図325(陰茎の海綿体)、図326(尿道の前立腺部上部を通る断面)、327(精丘を通る断面)、328(尿道の前立腺部下部を通る断面)、329(尿道膨大部を通る断面)、330(尿道の海綿体部中間部を通る断面)、331(尿道舟状窩を通る断面))。
[図324]陰茎の海綿体とその筋:皮膚を除去した状態。(3/5)