(RK559(臀筋の深層), RK560(寛骨外面における筋の起始と停止部位) )
これは平たい三角形の筋で、中臀筋に覆われている。寛骨の上臀線と寛骨臼上線との間の部分から起こり、大転子に向かって筋線維が集中し、その前縁に停止する。
大転子小臀筋嚢(Bursa trochanterica m. glutaei minimi)という粘液嚢が、大転子の尖端とこの筋の腱との間に存在する。
**神経支配:**上臀神経による。
**脊髄節との関係:**L4, L5, S1
**作用:**中臀筋の働きと同様である。筋線維全体が同時に働くと大腿を外転させ、前方の線維だけが働くときは大腿を前方に挙上し、かつ内旋させる。後方の線維は大腿を伸展し、かつ外旋させる。
**変異:**この筋はときに前後の2つの部分から構成される。まれに前方の筋束が完全に独立した筋、すなわちM. glutaeus quartus(第4臀筋)を形成することがある。また、梨状筋や中臀筋との癒合が見られることもある。