(RK538(右前腕の筋(掌側面))、RK542(前腕の深層の伸筋)、543(前腕の伸筋) )
この筋は上腕骨の橈側上顆、橈骨輪状靱帯、および短橈側手根伸筋と総指伸筋の起始の間に位置する腱板から起始する。その終腱は第3中手骨の底に強固に付着する(RK542(前腕の深層の伸筋)、543(前腕の伸筋)、RK544(手背における筋と腱) )。
この腱と上腕骨の間には粘液嚢があり、短橈側手根伸筋嚢(Bursa m. extensoris carpi radialis brevis)と呼ばれる。
神経支配(長・短橈側手根伸筋):橈骨神経
**脊髄節との関係:**C5(変異), C6, C7
作用(長・短橈側手根伸筋):これらの筋は手を伸展し、橈骨側に外転させる。また、前腕の屈曲にも関与する。長橈側手根伸筋は、前腕伸展時には回外筋として機能するが、前腕が90度屈曲位では純粋な回内筋として働く(R. Fick)。
比較解剖学的にも発生学的にも、長・短橈側手根伸筋は単一の筋として考えられる(Le Double)。
**変異:**長・短橈側手根伸筋は、その筋腹が程度の差こそあれ広範囲にわたって癒合していることがある。また、互いに筋線維束を交換することもある。時に第3中手骨に過剰停止がみられるが、第4中手骨への停止はきわめてまれである。