斜頭と横頭から構成される。斜頭Caput obliquumは立方骨、長足底靱帯、第3楔状骨の先端部、および第2・第3中足骨底から起始する。横頭Caput transversumは第3・第4中足趾節関節の関節包足底壁から順に並んだ尖頭をもって起始する(H. Virchowによれば、時に第2・第5中足趾節関節からも起始する)。両頭は短母趾屈筋の腓側頭と共に、母趾の腓側種子骨およびその基節骨底に停止する。
**神経支配:**腓側足底神経
**脊髄節との関係:**S1, S2
**作用:**母趾を腓側および足底方向に引く。
変異:斜頭から第2趾に1本の腱が向かうことがある。横頭は全部または一部欠如することがある。斜頭の一部筋束が時に第1中足骨に停止することがあり、これらは母趾対立筋M. opponens hallucisと呼ばれる(W. Krauseによれば、この名称は不適切とされる)。
[図582] 右足背の筋と腱
長趾伸筋の腱および十字靱帯の一部を除去してある。
[図583] 右足底における筋群(I):足底腱膜(Aponeurosis plantaris)
[図584] 右足骨の足背面における筋の起始と停止
[図585] 右足骨の足底面における筋の起始と停止