脊柱の長さはR. Fickによれば成人で(弯曲に沿って)72~75 cmあり、身長の約45%に当たる。(日本人では長谷部(1913)によれば男75.7 cm、女68.5 cmでいずれも身長の47%に当たる。また植苗(解剖学雑誌1巻3号、1928)によれば男75.1 cm、女70.6 cmでいずれも身長の48%に当たる。)そのうち11~14 cmが頚部脊柱、27~30 cmが胸部脊柱、17~19 cmが腰部脊柱、12~16 cmが仙骨部である。
脊柱の高さ(軸椎の歯突起の尖端と尾骨の尖端との間の直線距離)はKrauseによれば男60~70 cm、女66~69 cmで、これは全身長の約40%、すなわち2/5に当たるが、もちろんこの関係は一定ではない。Hasseによれば背の高い人は一般に下肢が長くて胴が比較的短い。
胎児やごく幼い子供では脊柱の相対的な長さが大きいが、その後成長とともに体肢がどんどん伸びるのに対して脊柱はあまり伸びず、思春期になってようやく両者の隔たりが均されるのである。脊柱はドイツ人では23歳、イギリス人およびフランス人では28~30歳になってようやく決定的な長さに達するという。
老人では脊柱の長さはかなり減少し、その短縮は50歳から90歳までに7 cmにも達することがある。その原因は弯曲が強くなることと、椎間円板の厚さが減ることである。
起立時と横臥時の長さの差はH. V. Meyerによれば1.5~3.0 cmである。