https://funatoya.com/funatoka/Rauber-Kopsch.html
(RK618(心臓:前面)、RK619(心臓:横隔面)、RK620(線維輪と線維三角:水平断面図)、RK621(閉鎖状態の心臓の諸口と弁)、RK622(心底)、RK625(心窒壁を開いて房室弁の装置を示す) 、RK627(ヒス束の左脚) )
左心房は心臓の最後方に位置し、両側の肺根の間に挟まれている。
左心耳(Auricula sinistra, linkes Herzohr)の先端は、心膜を開いたとき前方から見える左心房の唯一の部分である(RK600(主要脈管系の分布概観図) )。
左心耳は柄のような形状で左心房の上に位置し、他の左心房部分からははっきりとくびれている。前方に伸びて肺動脈の周りに沿い、やや右方に湾曲している。右心耳と比べてより強く屈曲し、その縁はより深く切れ込んでいる。左心耳の内面には肉柱があるが、左心房の壁は対照的に平滑で、右心房よりもやや厚い。肺根から来る肺静脈(Vv. pulmonales)は、通常各側それぞれ2つの開口部を持ち、弁を伴わずに心房に開口する(RK619(心臓:横隔面) 、RK622(心底) )。
1側の2本の肺静脈が時として合流して1本の幹となることがある。また、主に右側で見られることだが、本来2本であるはずの肺静脈が3本に分かれて開口することもある。
房室口(RK621(閉鎖状態の心臓の諸口と弁) )は円形だが、右側のものと比べるとやや狭い。中隔には浅くて長めのくぼみがあり、これは右心室の卵円窩の位置に相当する。鎌形で前方に凹みを向けたひだがあり、これを**[心房]中隔鎌**(Falx septi atriorum)と呼ぶ。これは胎生期に存在した弁の名残である。