膝蓋骨は、膝関節の前部に位置する小さな三角形の骨で、大腿四頭筋の腱と脛骨の間に位置します。その主な機能は、膝関節の動きを保護し、大腿四頭筋の力を脛骨に効率的に伝えることです。また、膝蓋骨は膝関節の可動範囲を増加させ、関節の安定性を向上させ、大腿四頭筋の力を増加させる役割も果たします。

膝蓋骨の上外側縁に生じる切痕を膝蓋骨切痕と言います(図42)。加藤・原田(1959)によれば、現代人の140側中60側(42.9%)に出現します。Morimoto (1975)は、縄文時代人では90%以上の出現率であるが、時代が進むにつれて減少し、現代人では61%であると報告しました。彼は大腿四頭筋の発達度と成長期の栄養不良がその成因に関連する可能性を指摘しています。

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図42 膝蓋骨切痕

図42 膝蓋骨切痕