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神経分節には以下のような基本構造がある:中枢器官Zentralorgan(図355(ヒトの中枢神経系および末梢神経系の横断模式図) )から、各側に1本ずつ腹方の運動性神経根motorische Nervenwurzel(前根Radix ventralis)が出て、側方に向かう。これに対し、背方には知覚性神経根sensible Nervenwurzel(後根Radix dorsalis)が1本あり、この後根上に脊髄神経節Ganglion spinaleという膨らみがある。前根はこの神経節に接するのみだが、神経節の末梢側で両根が合わさり、脊髄神経Nervus spinalis, Spinalnervの短い共通幹を形成する。この共通幹はさらに4本の枝に分かれる:
後枝Ramus dorsalis:後方に進み、内側枝と外側枝に分かれて背部の筋肉および皮膚に分布する。
前枝Ramus ventralis:体壁内を腹方に走り、次の2本の枝を出す。 a) 外側皮枝Ramus cutaneus lateralis:さらに後枝と前枝に分かれ、体の外側部の広い帯状皮膚領域に分布する。 b) 前皮枝Ramus cutaneus ventralis:正中線に近い前面の皮膚領域を支配する。 加えて、前枝は四肢を含む腹方の全筋肉を支配する。
硬膜枝Ramus meningicus:細い枝で、交通枝Ramus communicansから小枝を受け取った後、椎間孔を通って脊柱管に入る。脊髄とその被膜、脊柱管壁、およびその他の管内容物に分布する。
交通枝Ramus communicans:主に内臓と血管を支配し、交感神経幹と連絡する。また、交感神経からの線維束を脳脊髄神経系に導入する。
この神経分節の典型的な構造は胸部にのみ見られる。腰部では下肢の存在により一部変化し、頚部、特に頭部ではさらに顕著な変化が生じる。
[図355]ヒトの中枢神経系および末梢神経系の横断模式図