この筋は起始部では平たく、幅広で薄いが、下方に向かうにつれて幅が狭くなり、断面が円形に近づく。恥骨枝の結合部の縁から起こり、大腿の内側面を下方に走行し、縫工筋の終腱の後方で脛骨粗面付近に付着する。
縫工筋、大腿薄筋、半腱様筋の腱は互いに癒合し、さらに大腿筋膜、下腿筋膜とも融合している。この構造は鵞足(Pes anserinus、Gänsefuß)と呼ばれる(RK578(下腿の筋群))。
縫工筋の腱と大腿薄筋の腱の間には前述の固有縫工筋包(Bursa m. sartorii propria)があり、鵞足と脛骨の間には鵞足包(Bursa anserina)がある。これらの二つの滑液包は互いに連続していることがある。
**神経支配:**閉鎖神経
**脊髄節との関係:**L2, L3, L4
**作用:**大腿および下腿の内転。また、下腿の屈曲および内旋。伸展した膝の固定に寄与する。
**変異:**この筋は時に腱の下1/3で複数の腱線維を大腿筋膜に送ることがある。