（RK556(大臀筋および右大腿の屈筋), RK558(臀筋の深層), RK559(臀筋の深層), RK560(寛骨外面における筋の起始と停止部位), RK572( 寛骨部および大腿の筋（側方からの図）) ）

これは三角形の、厚くて強力な筋肉である。その下部は大臀筋に覆われており、寛骨の上臀線、後臀線、および腸骨稜の外唇の間の部分、さらにこの筋を部分的に覆う大腿筋膜から起始する。強大で幅広い腱を持ち、大転子に停止して、その尖端全体を包み込む。この筋の前方線維は斜めに後下方へ、後方線維は斜めに前下方へ、中央線維はまっすぐ下へと走行する。前方部分は大腿筋膜張筋に覆われている。

この筋の腱と大転子の間には浅大転子中臀筋嚢（Bursa trochanterica m. glutaei medii superficialis）（RK557(股関節周囲の筋停止と滑液包) ）という粘液嚢が存在し、梨状筋の腱と中臀筋の腱の間には深大転子中臀筋嚢（Bursa trochanterica m. glutaei medii profunda）がある。

**神経支配：**上殿神経による。

**脊髄節との関係：**L4, S1

**作用：**この筋の線維全体が同時に働くと、大腿を外転させる。前方の線維は大腿を前方に挙上し、かつ内旋させる。後方の線維は大腿を伸展し、かつ外旋させる。

**変異：**大臀筋と同様に、この筋もときに2層から構成されることがある。しばしばその前縁が小臀筋と、後縁が梨状筋と癒合している。その前後の両縁に独立した筋束が観察されることがある。