軟骨で覆われた関節端が滑らかに接するためには、両関節面が規則正しい形状を持つ必要がある。両関節面の形状は完全に一致する場合もあれば、一致しない場合もある。一致しない場合は、滑膜ヒダ、円板、半月などが関節腔内に入り込み、両関節面の形状の不一致を補正または緩和する。また、相対する関節面の大きさが異なることも多い。
関節面は平面のこともあれば、回転体の表面の一部、あるいはさらに複雑な形状を示すこともある。平面関節面は、無限大の半径を持つ回転体の一部として考えることができる。
回転体の表面とは、直線または単純な曲線が、同一平面内の1つの軸を中心に回転することで形成される面である。
回転する線が直線で回転軸に平行な場合は円柱となり、回転軸に平行でない場合は円錐となる。回転する線が半円形で、その直径が軸となる場合は球体が形成される。回転する線が円弧の場合、軸がその凸側にあれば鞍型の関節面が、凹側にあれば「ビール樽型」が生じる。また、楕円がその軸の1つを中心に回転すると、回転楕円体が形成される(R. Fick, Handbuch, II. Teil)。
ただし、胎児期の関節面がこのような幾何学的過程で形成されるわけではない。実際の発生過程では、隣接する軟骨または骨化しつつある骨格部分の間の軟組織に、骨格部分に対して横方向の隙間が生じ、これが後の関節腔の起源となる。この隙間形成以前から、軟骨端には将来の形態—円蓋面、陥凹面、平面などの特徴的な形態—の原型が存在する。通常、筋の停止部に近い関節端は関節窩へ、遠い関節端は関節頭へと発達する(R. Fick, Verh. anat. Ges. 1928)。—S. Krompecher und K. Goerttler, Die Grundlagen einer experimentellen Gelenkbildung. Verh. anat. Ges. Anat. Anz. 87. Bd., 1939。
完成した関節は、Hermann Meyerの分類により以下の基準で区分される。
これらの分類のうち、記載解剖学上特に重要なのは次の2つである。
a) 単関節(Articulus simplex):2つの骨で形成される関節(例:肩関節、股関節)。
b) 複関節(Articulus compositus):3つ以上の骨で形成される関節(例:肘関節、橈骨手根関節)。
これとは別に、第2の分類として関節の形状による区分がある。この分類では、関節をまず可動性の程度に基づいて可動結合と半関節の2群に分け、可動結合をさらに細分類する。