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目次(VI. 感覚器)

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主要機能

保護機能

代謝・体温調節

分泌・感覚機能

外皮には次の5つの主要な機能がある。

  1. 内部を保護する被い,2. 貯蔵器官,3. 体温調節器,4. 分泌器官,5. 感覚器官。

皮膚は著しい丈夫さと完全な弾性を持ち、体を保護する被いとして機能している。皮膚は伸展力に柔軟に対応し、その力が消失すると変形を残すことなく元の形状に戻る。ただし、伸展力が弾性限界を超えると永続的な変化が残り、重度の場合は構造変化Strukturveränderungen(非可逆的な変化)を引き起こす。この構造変化の典型例として、妊娠時の腹部に生じる妊娠線Striae gravidarumや、腫瘍による過度な皮膚伸展がある。また皮膚は通常状態でも適度な弾性緊張を保ち、皮下組織を緩やかに圧迫している。

皮膚が効果的な保護被いとして機能する要因として、皮下脂肪組織の存在、水分保持能力、物質に対する強い抗透過性、毛髪や爪の形成、分泌作用、そして表層の継続的な剥離が挙げられる。特に表層の剥離は、侵入した異物の定着や拡散を防ぐ重要な防御機能を果たしている。

皮膚は皮下脂肪組織により貯蔵庫としても機能する。栄養状態の良好な人では皮下に10~15kgの脂肪が蓄積され、必要時に代謝エネルギーとして利用できる。

体温調節器として、皮膚は神経系と密接に連携している。寒冷時には血管が収縮し、温熱時には拡張して血液量を増加させる。これにより、より多くの液体が滲出して蒸散が促進され、冷却効果が得られる。表皮とその付属構造物は全て熱伝導性が低く、発達した皮下脂肪も同様の断熱効果を持つ。