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目次(IV. 内臓学)

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図290(腟、子宮、右卵管)

卵巣上体は子宮広ヒダの両葉の間に位置する。よく発達している場合、卵管と平行に縦走する卵巣上体縦管Ductus epoophori longitudinalis(ガルトナー管Gartnerscher Gang)と、横走する横小管Ductuli transversiから構成される。卵巣上体縦管は子宮側壁を下方に進み、時に処女膜にまで達する。横小管は卵巣門から始まり、縦管に開口する。これらの管からは小さな有茎小胞がしばしば突出しており、これを胞状垂Appendices vesiculosaeと呼ぶ。これらの管は結合組織と上皮からなる粘膜で構成され、上皮は主に線毛円柱上皮である。

卵巣傍体は卵巣上体よりも小さく、骨盤壁近くの卵巣間膜起始部の下外側に位置し、卵巣動脈の比較的太い枝の間に存在する。分枝した数本の小管からなり、円柱上皮に覆われている。これもまた退化した器官で、ウォルフ体Wolffscher Körperの原腎部Urnierenteilの名残である。

卵巣上体および卵巣傍体に相同の構造が男性生殖器にも存在する。卵巣上体に相当するのが精巣上体Epididymis, Nebenhodenであり、卵巣傍体に相当するのは精巣傍体Paradidymisである。