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目次(I.骨格系)

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RK281(右鎖骨:下面)、282(右鎖骨:上面) RK358(第3腰椎)、359(肩甲骨)、360(鎖骨)

鎖骨は胸骨の鎖骨切痕から肩峰まで伸び、S字状に湾曲している。成人では12~15cmの長さがあり、内側3分の2は前方に凹、外側3分の1は後方に凹の曲線を描く。

胸骨端(Extremitas sternalis)は太く、肩甲端(Extremitas acromialis)は扁平で幅広い。中央部は両端に比べて細いが頑丈で、管状骨の骨幹に相当する。

胸骨端の関節面は胸骨関節面(Facies articularis sternalis)と呼ばれ、凹凸両面を持つ三角形に近い形状である。肩峰関節面(Facies articularis acromialis)は卵円形で、鎖骨の外側端に垂直に位置する。

下面には鎖骨下筋が付着する浅く幅広い溝があり、顕著な栄養孔が1つ存在する。内側には肋鎖靱帯(Lig. costoclaviculare)が付着する明瞭な粗面があり、肋骨粗面(Tuberositas costalis)と呼ばれる。外側には広がった烏口粗面(Tuberositas coracoidea)があり、烏口鎖骨靱帯(Lig. coracoclaviculare)の付着部となっている。

先天性の鎖骨欠損(通常両側性)は、他の骨格異常を伴うことが少なくない。特に頭蓋の骨化異常と併発することが多く(22例中13例)、遺伝的関連が示唆される。J. W. Hultkranzは、この現象を説明するため、頭蓋冠と鎖骨の骨化が共に胎生第2か月に始まることを指摘している(Anat. Anz., 15. Bd., 1899)。

鎖骨は全身の骨格の中で最も早く骨化を開始する。鎖骨の骨幹は結合組織性の骨化によって形成され、軟骨を経由しない(図104参照)。しかし、胸骨端および肩峰端はこれとは異なる発生様式を示す。

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[図281282] 右鎖骨(2/3倍)

図281は下面、図282は上面を示す

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[図283]右上腕骨頭の上面(4/5倍)

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[図284]上腕骨(右)の下端:下後方から見た図(4/5倍)

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[図285]右の尺骨と橈骨の上端の関節面(4/5)

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[図286]右の尺骨と橈骨の下端の関節面(4/5)