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目次(IV. 内臓学)

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図185(輪状軟骨披裂軟骨:前方からの図)、186(輪状軟骨と披裂軟骨:後方からの図(9/10倍))

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図187(輪状軟骨と披裂軟骨:男性の喉頭を左側面から見た図)

輪状軟骨は完全に閉じた丈夫な輪を形成している。その上に甲状軟骨と披裂軟骨が位置し、下方は気管に連結する。前方から後方に向かって著しく高さを増し、後方では2~2.5cm、前方では0.6~0.7cmである。この高さの変化に伴い、上縁は斜め上方に走るが、下縁はほぼ水平に走り、後端近くで左右とも下方へわずかに突出している。前方の低い部分をArcusといい、後方の高い部分を板Laminaという。板の上縁中央にはわずかな凹みがあり、その両側に突出した卵円形の関節面があって披裂軟骨を支えている。この関節面を披裂関節面Facies articularis arytaenoideaという。

輪状軟骨の外面は凸形で、前方と側方は平滑である。後面の正中線には垂直に伸びる隆起があり、その両側にかなり広い凹みがあって、そこから後輪状披裂筋が起こる。側面には左右それぞれ1つずつの円形で小さい低い隆起があり、これを甲状関節面Facies articularis thyreoideaといい、甲状軟骨の下角と接する。

輪状軟骨の内面は完全に平滑で、横断面では下縁付近はほぼ円筒形だが、上方に向かうにつれて側方から圧迫された形になり、楕円形を呈する。