定義:結合および支持組織は細胞間物質(または原線維間物質)、細胞、および線維から構成される。

この組織は中胚葉に由来し、動物体の支持器官を形成し、血液およびリンパを産生する。

このグループに属する組織は多様で、互いに重要な差異を示すが、共通の起源、他の組織への変形能力、比較解剖学的特徴、および機能的側面において、一つの統合された群を形成している。これらの組織の大部分を特別な一群としてまとめ、結合物質(Bindesubstanz)と名付けたのは、1845年にReichertが初めてである。

上述の3つの成分はこの組織群に属するいずれの種類にも必ず存在するが、その中で最も本質的なものは細胞である。細胞から他の2成分が生成される—つまり、細胞が細胞間物質および原線維を産生するのである。初期の胎児では、まず結合組織(Bindegewebe)あるいは間葉間充組織ともいう、Mesenchym)として細胞が集まって網状を呈する(RK063(胎児の結合組織) )。これらの細胞は突起を出して互いにつながっている。間葉の細胞は結合および支持組織の様々な種類の起源となる。

細胞間物質(Interzellularsubstanz)は細胞や線維の間にある無構造の物質で、その名前が示すように細胞間だけでなく、原線維間物質(Interfibrillarsubstanz)でもある。

Schaffer(Anat. Anz., 19. Bd., 1901)はこの無構造の中間物質を接合質(Kittsubstanz)と呼んだ。v. Korff: Merkel u. Bonnet, Ergebnisse, 17. Bd., 1909も参照のこと。R. Virchow、Köllikerやその他の学者によれば、この物質は結合組織細胞から分泌されて生じる。この「分泌説」(Sekretionslehre)に対して、比較的新しい別の学説が登場している。それは細胞間物質が細胞の外形質(Exoplasma)の変形によって生じるという「外形質説」(Exoplasmalehre)である。これに後で細胞からの分泌物が加わるとされる。Heidenhain, Plasma und Zelle. Jena, 1907-1911. — Studnicka, Sitzber. Böhm. Ges. Wiss. Prag, 1907, Anat. Anz. 1907, Anat. Anz., 38. Bd., 1911. Z. Zellforsch., 4. Bd., 1926.

基質(Grundsubstanz)という名称は原線維と原線維間物質ないし細胞間物質を全て含めたものに用いられる。結合組織の線維の由来については後述39頁を参照のこと。

結合および支持組織の形態は極めて多様であるため、分類が特に重要となる。Waldeyerは学生がこの複雑な分野を容易に理解できるよう、以下のような分類を提案した。彼の説明によると:

この組織は細胞間物質、細胞、および線維から構成されている。第1群では、線維が他の2成分よりも顕著である。この群に属するのは:

  1. 普通の疎性結合組織(gewöhnliches lockeres Bindegewebe) 内筋周膜(Perimysium internum)、神経内膜(Endoneurium)、腺の間やその内部、皮下組織などがこれに該当する。
  2. 定形(あるいは強靱結合組織(geformtes [straffes] Bindegewebe) 腱、筋膜、腱膜、眼球外膜(Tunica externa oculi)、薄膜(Albuginea)などがこれに属する。
  3. 弾性組織(elastisches Gewebe) 平滑筋線維の腱、椎弓間靱帯(Ligg. interarcualia)、肋間靱帯(Ligg. intercostales)、血管壁の中などである。

第II群は細胞間物質が他の2成分よりも著しく目立つもので、これに属するのは:

  1. 軟骨組織(Knorpelgewebe) a) 硝子軟骨:肋軟骨あるいは関節軟骨、また喉頭、気管、鼻そのほか数カ所にある。 b) 線維軟骨:椎間円板、関節半月と関節円板、大腿骨頭靱帯、関節唇、なお所により腱や腱鞘の中にある。 c) 弾性軟骨(あるいは網状軟骨):耳、喉頭蓋、そのほか喉頭の披裂軟骨の一部、小角軟骨、楔状軟骨がこれである。
  2. 骨組織(Knochengewebe) 骨格をなしている骨やいくつかの感覚器にある。また筋系統とともに近い関係にある種子骨や腱の骨化もこれに属し、歯ではセメント質がこれである。なお喉頭軟骨および肋軟骨が年齢とともに骨化することもここで指摘しておく。
  3. 象牙質組織(Zahnbeingewebe) これは歯にだけある。

第III群は細胞そのものが最も目立つ場合である:

  1. 脂肪組織(Fettgewebe) 体中どこにもあるが、特に皮下組織、腸間膜、腎臓の脂肪嚢でよく発達している。