基節骨と中節骨の間、および中節骨と末節骨の間に、合計9つの同構造の指関節がある。これらの構造は、手の指関節とほぼ同様である。
中節骨と基節骨の遠位端にある関節面は滑車状で、中央に1本の導溝(Führungsrinne)がある。これに対応する中節骨と末節骨の底面は、導隆線(Führungsleiste)を持つ浅い関節窩である。ただし、中節骨と末節骨の間の関節では、滑車の導溝と関節窩の導隆線がほとんど認められないことが多い。
関節包は関節窩では軟骨縁のすぐ際に、滑車では軟骨縁からやや離れたところに付着している。
関節包は背側で薄く、伸筋の腱と癒着している。底側では中足基節関節と同様の線維軟骨板を有する。
特殊構造として側副靱帯(Ligg. collateralia)がある。
これは滑車の側面の背側寄りにあるくぼみから起こり、斜めに底側前方へ走って対応する指骨の底に付着する。血管と神経は近接する指動・静脈および指神経(Vasa et Nervi digitales)から供給される。
中足指節関節と指関節のリンパ管は各関節の内側と外側から出る。足背では8〜10本の小幹となり、近位方向に集まって2〜4本にまとまり、大伏在静脈に沿って進み、浅鼠径リンパ節に至る。
ただし、母指の中足基節関節からは足底側へ1本のリンパ管が出て、第1中足骨間隙を通って足背に現れ、前脛骨動・静脈に沿って上行し、膝窩リンパ節に達する。
第2〜第5指の中足基節関節からも、同様にそれぞれ1つのリンパ管が足底面に現れる。これらは合流して、足底動脈弓、腓側足底動脈、後脛骨動静脈に沿って膝窩リンパ節に至る(Baum. Anat. Anz., 67. Bd., 1929)。