定義:器官は一種または多種の組織からなり、定まった形を備え、一定の機能を営むものである。いくつかの異なる器官が機能的に密接に結びつき、より高次の単位を形成する。これを装置Apparat または系統System という。
単細胞生物でも、器官に相当する構造を完全に欠いているわけではない。偽足、繊毛、多様な保護被膜、さらに様々な内部構造が器官に相当すると言える。
すべての多細胞生物は、その構造がいかに複雑であっても、その存在の始まりは単細胞生物に相当するものから出発する。しかし、発生が進むとすぐにより高度な区分ができる。腸胚(Gastrula)の時期には2つの原始器官Primitivorgane が生じる。すなわち一次外胚葉と内胚葉である。原始器官はその後、大小様々な二次器官sekundäre Organe を形成し、比較的高等な動物の体、そして人間の体にも、こうした二次器官が何百万とも言えるほど存在している。
1個の器官が極めて単純なものであっても、あるいは非常に複雑なものであっても、既に述べたように、それらはすべて細胞に帰せられる。機能の面から見ても同様である。例えば、肝臓の機能はすべての肝細胞の働きの総和である。
器官の形成には分業Arbeitsteilung の原則が現れている。アリストテレス以来の定義に従えば、一つの器官が多様な働きをするのではなく、一つの定まった機能を持つ傾向が強いほど、その器官はより完全なものと言える。また、生物体において機能が多岐に分かれているほど、そして機能を担う諸器官が多種多様であるほど、その生物の有機体としての階級は高いのである。
上述の概括的な関係を理解した後、さらに有機体の特徴について探求を進めるならば、個体の発生がこの研究領域において注目すべき現象を次々と示すのである。
発生学が教えるところによると、一時的器官transitorische Organe がある。これらは形成され、ある機能を果たした後、退化する。そのような器官の一部は完全に消失さえする(胎児被膜、臍帯、胎盤)。
特別な器官の第2群は発生の途中で機能の転換Funktionswechsel が起こるものであり、すなわち転換器官Wechselorgane である。ウォルフ管は前腎および原腎の導管であるが、これが形を変えて精管になる。原腎細管の一部は精巣上体の成分に変わるのである。
第3群の器官はその原基が生じ、ある時期まで発生するが、そこで停止し、それ以上の段階に至らない。いわゆる痕跡的器官rudimentäre Organe である(精巣垂、精巣上体垂)。多くの痕跡的器官は胎児期にのみ存在する(尾の原基、顔面および体幹における感覚毛Spürhaareの原基、人の胎児の下腹部に見られる袋の原基)。Bromas(Anat. Anz., 72. Bd., 1931)はこれらを痕跡的胎児期器官rudimentäre Embryonalorgane と呼んだ。以前は痕跡的器官とされていた多くのものが、その後の研究によって非常に重要であることが分かり、一部は生命に不可欠なものさえあることが判明した(虫垂、脳下垂体)。
それゆえ、成長した人間の体は、その発生の間に原基ができたすべての器官を持っているわけではなく、器官の数はそれよりも少ない。残っているものの一部は転換器官であり、その他のもの(これが大部分だが)は転換しない完全器官Vollorgane である。痕跡的器官にも高い形態学上の意味がある。その機能がいかに些細なものであっても、痕跡的器官が存在するときは、それは一定の動物系を示しており、その動物ではこの器官が発達した状態にあり、また相応の機能を持っているのである。
Wiedersheim, R., Der Bau der Menschen als Zeugnis für seine Vergangenheit. IV. Aufl., Tübingen, 1908. - Maurer, F., Über Restorgane . . . beim Menschen. Jen. Z., 58. Bd., 1921.
様々な器官は、その種類にかかわらず、体内で無秩序に混在しているのではなく、その配置と分布には厳密な規則性がある。人間ではこの配置は、すべての脊椎動物、特に哺乳類に当てはまる規則に従っている。すなわち脊椎動物型であり、哺乳動物型である。他の動物界には異なる型があるが、どの場合にも移行型は存在する。
正中面は哺乳類の体を対称的な両半分に分ける。正中面のすぐ近くに、あるいは正中面によって切られて不対称の器官がある。しかし、これらの不対称器官も対称的な両半部から成り立っているのが一般的である(脊椎、脊髄、腸、肝臓、心臓)。また、一部は正中面のすぐ近く、一部はそれよりも外側に対をなす器官が存在する(筋肉、肋骨、肺、腎臓)。
さらに、正中面の左右だけでなく、頭尾(すなわち上下)の方向、つまり正中面に沿っても器官の区分が目立つ。左右に対応する器官は対側分節Antimeren, Gegenstücke をなす。縦軸の方向に並んでいる器官は縦軸分節Metameren, Folgestücke である。これらの分節は多少の差はあれ互いに似ており、ある程度互いに分離しているか、あるいは初めから分離していないこともある(脊柱、分節的な筋肉、両側の生殖腺、皮膚)。
生物体を全体として見ると、個体の生命活動を表すために身体の各部分が調和して共同で働いている。これは、機能を営むすべての器官がその性質、大きさ、構造に関して互いに密接な関係を持っていることを意味する。完全に機能している器官の一つが何らかの形で変更されれば、必ず他の器官に反応を引き起こし、ひいては全身にも影響を及ぼすのである。
人間の器官は人類という範囲内でも互いにある程度異なっている。個体的変異は非常に大きく、同一人物の体の左右両半の間にも絶対的な対称性は決して存在しない。二人の人間の間で器官を比較して全く同じということは、さらに稀である。
器官の個体差は予想以上に大きい。さらに、年齢段階、性別、人種、血統が支配する器官の変動を考慮すると、差異の幅はさらに大きくなる。
器官の異常として最も重要なものは、動物での正常な状態と一致を示すものである。そのような異常は動物類似形Theromorphien と呼ばれ、すべての器官系統に見られる。
身体の器官系統は並列的な2つの主要群に分けることができる。その1群は個体の保存に関わるものであり、他は種族の保存に関わるものである。後者は生殖器Organa genitalis, Genitalien, Geschlechtsorgane と呼ばれる。
全体として9つの器官系統がある。すなわち: