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目次(I.骨格系)

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骨格は身体の結合組織および支持組織全体に属し、これらの組織内に存在する。

結合組織および支持組織の集合は、体軸性(achsial)、中隔性(septal)すなわち中間性(intermediär)、そして周辺性(peripherisch)のものに区別される(RK357(脊椎動物の結合組織葉の模式図) )。周辺性、つまり表皮下のものは皮膚葉(dermales Blatt)とも呼ばれる。体軸性のものは脊索周囲葉(perichordales Blatt)、神経周囲葉(perineurales B.)、腸管周囲葉すなわち内臓葉(perigastrales od. viscerales B.)に分かれる。神経周囲葉は後正中部で皮膚葉と融合する。RK357(脊椎動物の結合組織葉の模式図) aでは内臓葉は描かれていないが、二重の輪――内側の輪は腸管上皮、外側の輪は体腔の上皮を示す――の間に存在する。腸管周囲葉と脊索周囲葉のつながりも、同様に想像していただきたい。

脊索周囲葉からはさらに中間葉すなわち中隔葉が生じ、図では体腔の外側に位置し、体腔および腎臓・生殖腺を外側から囲み、前正中部で皮膚葉とつながっている。

尾部では(RK357(脊椎動物の結合組織葉の模式図) b)体腔と内臓が欠如し、中間葉および腸壁周囲葉が融合して、血管のみを取り囲んでいる。

頚部では(RK357(脊椎動物の結合組織葉の模式図) c)内臓葉が描かれており、これは腸管の上皮と体腔の上皮の間に位置し、さらに1つの血管弓が加えられている。

軟骨と骨がこの支持組織集合内のどの場所でどの範囲に分化しているかは、脊椎動物界において実に千差万別である。例えば、最も下等な段階では骨や軟骨は全く分化していない。しかし、上述の考え方に従って、骨格群を次のように分類できる。

  1. 体軸性骨格(脊索周囲性・神経周囲性および腸管周囲性)achsiales Skelet、2. 皮膚性骨格dermales Skelet、3. 中隔性骨格septales Skelet。

脊索周囲性骨格(Perichordales Skelet)は、哺乳動物とヒトでは椎体と頭蓋底の相当部分である。神経周囲性骨格(Perineurales S.)は椎弓と頭蓋底の相当部分である。また、腸管周囲性骨格(Perigastrales S.)は鰓弓性器官に属する頭蓋骨、すなわち舌骨・茎状突起・鼓室小骨・下顎骨である。

皮膚性骨格は、ヒトでは頭蓋冠の領域を除いて、体幹の骨格に骨または軟骨として現れることはない。

中隔性骨格は、すべての肋骨(退化的肋骨を含む)と胸骨によって代表される。肋骨を内臓性(臓弓性)骨格と混同してはならないことは明らかである。

これらすべての骨格群に対して、体肢の骨格はある程度独立した関係にある。おそらく、原節から筋肉の塊が体肢の原基の中へ入っていくときに、同時にその筋肉に属する骨格の素材も含んでいるのだろう。また、体肢の骨格は発生的に頚肋骨および腰仙肋骨と関係があると考えるべきものらしい。さらに、体肢の骨格は少なくともかなり広範囲にわたって皮膚性骨格であると考えてよいようである。

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[図357] 脊椎動物の結合組織葉の模式図(Hatschek作成) a:胴部横断面 b:尾部横断面 c:鰓部横断面 左側:2つの鰓裂間(内臓弓)の切断面 右側:鰓裂部の切断面