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目次(VI. 感覚器)

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神経線維層の基本構造

神経線維の配列パターン

特殊な構造

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図630(ヒトの網膜視部の横断面)

これは軸索の束からなり、グリア細胞によってまとめられている層である。個々の軸索束は互いに叢状の多数の結合をしている(図630(ヒトの網膜視部の横断面) )。乳頭より内側ではこの叢が純粋に放射状(経線状)に広がるが、外側の半分では黄斑がその配列を乱す要因となっている。乳頭と黄斑の間を走る束は黄斑束Maculabündel(日本解剖学会制定の用語では乳頭黄斑束)と呼ばれ、非常に細く、乳頭から黄斑へ一部は直線的に走っている。その上方と下方に接する束は、まず放射状に走るが、すぐに方向を変え、上方のものは下方へ、下方のものは上方へ向かう。このとき黄斑束に隣接する束は豊富に叢を作りながら、弓状をなして結合する。残りの束は次第に放射状に方向を変える。中心窩から4mm外側にある小さな三角形の領域は黄斑傍三角Trigonum paramaculareと呼ばれ、3つの方向からの線維束が集まることで形成される。中心窩では神経線維層がほぼ完全に欠如している。また、この層は鋸状縁に近づくにつれて次第に束が細くなり、鋸状縁では消失する。