https://funatoya.com/funatoka/Rauber-Kopsch.html
図552(**右下肢の皮神経分布領域:**後面)、553(**右下肢の皮神経分布領域:**前面)
腸骨下腹神経は腰方形筋の前面に達し、最下肋間神経と平行して斜め下方へ走る。腸骨稜上で腹横筋と内腹斜筋の間に入り、腸骨稜中央部上でその外側皮枝Ramus cutaneus lateralisを出す。外側皮枝は腸骨稜中央で内外両腹斜筋を貫き、稜を越えて下方へ走り、中殿筋を覆う皮膚に達する。ここで多くの場合、第12肋間神経の外側皮枝と結合する。
腸骨下腹神経の幹は前皮枝Ramus cutaneus ventralisとして続き、腹横筋と内腹斜筋の間を走る。この過程で両筋および外腹斜筋に筋枝Rr. muscularesを与える。前皮枝は腹膜下鼡径輪上方で内腹斜筋を貫き、さらに外腹斜筋の腱膜を通過して、浅鼡径輪の内側縁で皮下に達する。前上腸骨棘上では腸骨鼡径神経と結合し、時にはこれを完全に取り込むこともある。
図552:後面、図553:前面。(日本人の下肢皮神経分布に関しては、牛尾による左右各10肢を用いた詳細な報告がある。(牛尾甦生平:邦人下肢の皮神経分布に就て。解剖学雑誌、7巻、757~871、1934))