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目次(VI. 感覚器)

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ツチ骨にはKörperとよばれる中央部があり、上方はツチ骨小頭Capitulum malleiという球状の部分に移行している。ツチ骨小頭の後面には軟骨で覆われた鞍形の関節面があり、ここでキヌタ骨と結合する。小頭の下にはくびれた部分があってツチ骨頚Collum malleiとよばれる。体からはいくつかの突起が出ており、その1つがツチ骨柄Manubrium malleiである。これは緩やかに湾曲した平たい骨小棒で、ほぼ頚の延長線上で体から発する。

ツチ骨の頭と頚は鼓室の上部で鼓膜より上方、すなわち鼓室上陥凹Recessus epitympanicusのなかにある。頭はほとんど鼓室の天井に接しており、頚は鼓室の外側壁に密接している。

長突起Processus longusは頭と頚を通ずる縦の方向に対してほぼ直角に出ており、細長い小棒状である。前下方へ向かって伸び、錐体鼓室裂の中に入りこんでいる。この突起の先端は扁平に広がり、靱帯塊によって側頭骨の錐体と結合している。短突起Processus brevisは柄の始まりの部分から外方へ出て、鼓膜の上部に強固に付着している。鼓膜にはその部分で外方へ小さな隆起ができており、この隆起をツチ骨隆起Prominentia mallearisという。