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RK483(背筋群(第2層、第3層))

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RK484(長い背筋群)

この筋は僧帽筋、菱形筋、肩甲挙筋、上後鋸筋に覆われ、斜めに走る帯状の形をなす。より深層にある項筋の上を走行し、頭部と頚部に分かれる。それぞれ頭板状筋M. splenius capitisと頚板状筋M. splenius cervicisと呼ばれ、程度の差はあるものの、多くの場合互いに癒合している。

頭板状筋M. splenius capitisは第3頚椎から第3胸椎の棘突起に起始し、胸鎖乳突筋の停止部に被われて、乳様突起の外側面(突起の尖端まで)および僧帽筋の外側縁付近の分界項線に停止する。

頚板状筋M. splenius cervicisは第3から第6胸椎の棘突起に起始し、2つの尖頭に分かれて第1および第2頚椎の肋横突起の後結節に停止する。

**神経支配:**主に第1~第4頚神経の後枝による。時に第5頚神経、稀に第6頚神経も加わる(Eisler)。

**脊髄節との関係:**C. (1)II~V(VI)。

**作用:**片側のみ作用時は頭部を同側に回旋・側屈させる。両側同時作用時は頭部を後屈させる。

変異:完全欠損例がある(Testut, Le Double)。特に有色人種では頭板状筋と頚板状筋が完全に分離していることがある。第3の停止尖頭が第3頚椎の肋横突起に達する例もある。板状筋の上方、上後鋸筋の起始部上に接して、時に幅の狭い筋(8%の頻度)がみられる。これは最下部頚椎または最上部胸椎の棘突起から環椎の肋横突起に達し、菱形環椎筋M. rhomboatlanticus von Macalisterまたは副板状筋M. splenius accessoriusと呼ばれる。