この筋は細長く、中央部に斜め外側上方へ走る腱画があり、これにより中断されている。その円形の断面を持つ腱は、脛骨上端の内側面に達し、脛骨粗面の近くで大腿薄筋の腱より後方かつ下方に停止する。半腱様筋の腱は鵞足の形成に関与している。
縫工筋の腱の粘液嚢である固有縫工筋包(Bursa m. sartorii propria)は、前述のように縫工筋の腱と大腿薄筋および半腱様筋の腱の間に位置する。また、鵞足包(Bursa anserina)は脛骨と上記2つの筋の腱の間に存在する。
**神経支配:**脛骨神経
**脊髄節との関係:**L4, L5, S1, S2
**作用:**大腿の伸展と内転、骨盤の起立、下腿の屈曲と内旋
**変異:**起始部から独立している場合や、腱が大腿二頭筋の腱から完全に分離している例がある。腱画は個体差が大きく、全長を貫通していないこともあれば、重複していることもある。他の屈筋との結合や、尾骨、坐骨、大腿骨稜、仙結節靱帯からの過剰筋束が報告されている。