562.png

RK562(寛骨部および大腿の筋:前面図)

この筋は細長く、幅が狭く薄い。前腸骨棘のすぐ下から起始し、大腿の前面を下内側方に走行する。大腿骨の内側顆の後縁を越えて前方に曲がり、脛骨粗面の近くで脛骨の内側面に停止する。

縫工筋の終腱と大腿薄筋および半腱様筋の終腱の間には、固有縫工筋包(Bursa m. sartorii propria)という粘液嚢がある。縫工筋、長内転筋、鼠径靱帯に囲まれた領域は大腿三角(Trigonum femorale)と呼ばれる。

縫工筋は長内転筋と内側広筋の間の溝を前方から覆い、これらの筋とともに管を形成する。この管は下方で内転筋管(Canalis adductorius)に連続し、大腿動静脈および伏在神経を含む。

**神経支配:**大腿神経

**脊髄節との関係:**L2, L3

**作用:**大腿の前方挙上、外転、軽度外旋。下腿の内転。膝屈曲時の下腿内旋。伸展した膝の固定。

**変異:**完全欠損や重複がみられることがある。極めてまれに、筋の中央部に腱画を持つことがある。起始と停止に軽度の異常が見られることがある。