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片山正輝

目次(II. 筋系)筋系の図譜

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基本構造

起始

機能と支配神経

解剖学的変異

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RK515(頭部の筋(III) 前面図)

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RK516(頭部の筋(IV)および舌骨上筋)

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RK517(頭蓋の側面図における頭部筋の起始と停止)

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RK518(頭部の筋(V)および舌骨上筋)

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RK519(頭部の筋(VI)および舌骨上筋)

口輪筋は口を閉じる働きをする筋で、口裂を取り巻く輪状の筋線維系からなる。その大部分は放射状に走る筋肉の延長であり、一部のみが独立した筋束として存在する。口輪筋の実質には放射状に貫く線維の流れも存在するが、これは顕微鏡的観察でのみ確認できる。

この筋束は鼻、上顎、下顎から部分的に起始する。鼻から来る筋束、すなわち鼻起始(Origo nasalis)は外鼻孔の後縁の皮膚から始まる。上顎起始(Origo maxillaris)は鼻筋の起始部に隣接して上顎骨から起こり、下顎起始(Origo mandibularis)は頬筋の起始部に接して始まる(上顎および下顎の両起始は旧称:切歯筋(Mm. incisivi))。

この筋の下縁はオトガイ唇溝に位置し、上縁は側方で鼻唇溝に一致する。中央部は鼻中隔と上唇の間の角より上方に位置する。

**神経支配:**顔面神経

**作用:**口裂の狭窄・閉鎖、口笛、接吻、および母音OとUの発音時における口唇の緊張調節

**変異:**鼻起始、上顎起始、下顎起始の全部または一部が欠如することがある。