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解剖学的特徴
構造的特徴
解剖学的変異
RK520(下顎骨外面の筋起始と停止)、RK521(上顎骨内面の筋起始と停止)
咬筋は頬骨弓の下方で下顎枝を覆い、上顎骨の頬骨突起、頬骨の下縁、側頭骨の頬骨突起、そして頬骨および頬骨弓の内側面から起始する。
この筋は浅層と深層の2部分で構成される。深層部は後上方で外側に露出し、前縁では両部分が融合している。後方では両部分の間に深いポケット状の空間が形成される。浅層部には1つの幅広い腱があり、これが下方へと伸びている。
咬筋は斜めに後下方へ走行し、下顎枝の外面と咬筋粗面に停止する。前縁の筋束は斜め前方に向かい、時に筋線維が下顎骨の下縁を越えて延びて内側翼突筋の浅層線維と連続する。
**変異:**深層部と浅層部が独立していることがある。側頭下顎靱帯、頬骨、または上顎骨から起始する筋束が出現することがあり、これらすべてが存在する場合をM. masseter trigastricus(W. Gruber)(三腹咬筋)という。また、側頭筋や頬筋との連結も見られる。
深層部と浅層部はともに、内部が複雑な羽状構造を呈しており、これにより筋の力と作業効率が著しく向上している(H. Ebert, Z. Anat. Entw., 109. Bd., 1939)。
[図520]下顎骨外面の筋起始と停止(H. Virchow による)
[図521]上顎骨内面の筋起始と停止(H. Virchow による)